「大阪春秋」第169号(H31新年号)特集:キリシタンたちの戦国おおさか

永禄7年(1564)飯盛城で三好長慶の臣下73人がキリスト教の洗礼を受けた。河内キリシタンのはじまりである。当時のキリスト教は、信仰のみならず医学、天文学、兵器など、最新の科学技術や芸術、思想をもたらし、それを享受したキリシタンたちは戦国の世で目覚ましい活躍をする。三好・織田・豊臣・徳川の政権下、おおさかや畿内を中心に力を発揮した第1世代、著名な戦国大名として各地で名をなした第2世代、そして信仰を守り殉教への道を歩む第3世代ー。彼らそれぞれの人物像にスポットを当て、キリシタンたちが切り開いた新しい戦国時代史を描く。

特集 ラインアップ(敬称略)
【スペシャルインタビューⅠ】
カトリック長崎大司教区 高見三明大司教
「キリシタンがつなぐ長崎と大阪 長崎大浦天主堂境内にキリシタン博物館設置を」
聞き手 大石一久(大浦天主堂 キリシタン博物館副館長)+小林義孝(本誌編集委員・摂河泉地域文化研究所)
「大浦天主堂 キリシタン博物館 2018年(平成30)4月1日(日)オープン」
特定非営利活動法人世界遺産長崎チャーチトラスト
【特別寄稿 長崎より】
「畿内から長崎・天草へ キリシタンの広がり」
大石一久(大浦天主堂 キリシタン博物館副館長)
「パウロ三木の河内と長崎 ―『オラショ紀行』に誘われて―」
古橋佳世(オーボエ奏者)
【総論】
「河内飯盛城で生まれたキリシタン」
天野忠幸(天理大学文学部准教授)
【戦国キリシタン列伝】
「結城氏・三箇氏 ―飯盛城をめぐるキリシタン―」
小谷利明(八尾市立歴史民俗資料館館長)
「日比屋了珪と堺のキリシタン」
吉田 豊(元堺市博物館学芸員)
「池田教正の活躍 ―若江・八尾・清洲―」
天野忠幸(天理大学文学部准教授)
「伊地知文太夫 ―河内烏帽子形城から肥後天草へ―」
尾谷雅比古(NPO法人文化遺産保存ネットワーク河内長野理事)
「内藤ジョアン ―丹波・北京・金沢・マニラに刻んだ足跡―」
福島克彦(大山崎町歴史資料館館長)
「高山右近 ―戦国を生き抜いた不屈の『福者』―」
中西裕樹(高槻市立しろあと歴史館館長・今城塚古代歴史館長)
「蒲生氏郷と黒田官兵衛 ―右近によって信仰へ導びかれた武将たち―」
中西裕樹(高槻市立しろあと歴史館館長・今城塚古代歴史館長)
「細川ガラシャ ―ヨーロッパで称賛された『強き女』―」
小西瑞恵(大阪樟蔭女子大学名誉教授)
「小西行長 ―『海』に行き、キリシタンを結集して大名へ―」
鳥津亮二(熊本県八代市立博物館未来の森ミュージアム学芸係長)
「明石掃部と大坂の陣 ―大坂城に消えた信仰の将―」
森脇崇文(徳島市立徳島城博物館学芸員)
【おおさかのキリシタン研究】
「大阪茨木千提寺 キリシタン研究のはじまりの地」
合田幸美(公益財団法人大阪府文化財センター)
「礼幡(レイマン)と満所(マンショ) 墓碑に名をとどめる二人の河内キリシタン/堺のキリシタンの痕跡は?」
小林義孝(本誌編集委員・摂河泉地域文化研究所)
「河内岡山の教会 ―飯盛城下から大坂城下へ―」
村上 始(四條畷市教育委員会)
「今東光が書いたキリシタン小説 河内キリシタンへの関心」
伊東 健(今東光を語る会代表)
こぼれ話 「はじまりの神田宏大牧師 ―河内キリシタン研究の導き糸―」/「三好長慶の銅像ができました!府内で2体目、大東市役所前に」/「三好長慶をNHK大河ドラマに!! 三好ネットワークが誘致活動を本格始動」
【スペシャルインタビューⅡ】
カトリック大阪大司教区 前田万葉大司教
「キリシタンがつなぐ大阪と長崎 福者高山右近と絶世の聖女細川ガラシャの精神を受け継いで」
聞き手 小林義孝(本誌編集委員・摂河泉地域文化研究所)+高橋恵(劇作家・演出家・「虚空旅団」主宰)+長山公一(本誌編集主幹)
【付録】
ファン・ラングレン「東アジア図」(1596年) 鶴見大学図書館蔵
解説 天野忠幸(天理大学文学部准教授)
○その他、大阪府立大学教授・橋爪紳也氏による「対談」や、大阪ゆかりの文化人らによるエッセイ、イラストレーター・成瀬國晴氏へのインタビューなどの連載記事多数。
『大阪春秋』第169号 特集「キリシタンたちの戦国おおさか」発刊記念講演会
「キリシタンたちの戦国おおさか」
~キリシタンたちの活躍と、キリシタン墓から学ぶ~
これまでの西から東へのキリスト教の布教の流れに対して、豊臣政権下、畿内から九州へと展開する、おおさかのキリシタンたちの動きも明らかになりつつあります。その全貌を分かりやすく解説します。また、近年のキリシタン墓の調査成果からキリシタンたちの組織や信仰のあり方などについて考えます。プロの演奏家によるミニコンサートもあります。

講演Ⅰ 「キリシタンたちの戦国おおさか」
天野忠幸氏(天理大学文学部准教授)
ミニコンサート 古橋佳世(オーボエ奏者)
講演Ⅱ 「キリシタン墓研究の現状 ―おおさかと長崎を結ぶ―」
小林義孝氏(本誌編集委員・摂河泉地域文化研究所)
日 時 2018年2月11日(日)午後1時半~4時半
場 所 大東市立生涯学習センター「アクロス」4階 多目的室
574-0036 大阪府大東市末広町1-301 ローレルスクエア住道サンタワー内
JR片町(学研都市)線住道駅下車 徒歩3分(住道駅と連絡通路で直結しています)
参加費 500円(資料代) ※「大阪春秋友の会」会員は無料
定 員 100名(要申込)
申し込み アクロスに電話072-869-6505またはFAX072-870-1405
主催:大阪春秋編集室+摂河泉地域文化研究所+大東市教育委員会+大東市立生涯学習センター「アクロス」
協力:飯盛城ちょうけいクラブ