推薦文

河内キリシタン人物伝

当ブログは、地域の発展を心から願っておられた故神田宏大先生より掲載の許可をいただいたものです。

河内キリシタン人物伝
近畿キリシタンの繁栄とその広がり
神田宏大 著

推薦文

キムジュンゴン

金俊坤博士

この度、神田宏大先生の『河内キリシタン人物伝』の推薦文を頼まれたことを特別な光榮だと思って感謝します。

今までは断片的に知っていた初期の日本キリスト教の迫害と殉教の歴史がこの本で具体的にまとまった殉教史としてパノラマのように私の心に刻まれました。

私は一九六〇年に四十日間の聖地巡礼に出かけイスラエルとローマを探訪する機会が与えられ、ローマ郊外のカタコンベ(地下墓所)に行った事がありました。キリスト教初期の三世紀続いた迫害下の殉教墓地の前で、私はあたかもモーセが出エジプト記に柴の炎の中で「モーセ!モーセ!ここに近付いてはいけない。あなたの靴を脱げ。あなたの立っている場所は聖なる地である」と、耳にしたのと同じ、霊感に接し、カタコンベの一角でひざまずいて祈った事があります。私は今度の『河内キリシタン人物伝』を深夜まで読み終わって、カタコンベ巡礼の時のように、「聖なる神の臨在の前で靴を脱ぎなさい。あなたの立っている所は聖なる地である」と言われる御声を聞いたように感じました。

「三十万の世界規模の殉教者たちが260年間の徳川時代に数々の迫害と弾圧、火炙りの刑、踏絵、宗門改め等の精神的、肉体的な極限の残酷な刑、投獄、斬首、山奥での飢餓と寒さの苦痛の中でこれだけ命懸けでイエスを愛した国がローマ以外にあっただろうか」と問いかける著者の祈りに「アーメン」と唱え、私も魂の底から主を賛美し、殉教者の血が日本民族的救いの元肥になるように切に祈りました。

司馬遼太郎は「江戸時代に憲法があったとすれば『キリスト教は禁ず』の一條だけだった」と、また遠藤周作の『沈黙』の引用で「日本は宣教師の墓場、不毛泥沼いくら植えても腐ってしまう」と教えられてきました。

天草や島原では季節を問わず家々の玄関にしめ縄が飾ってあって、自分の家はキリシタンでないことを表さなければならない様に、日本人意識と文化の中に今日も存在している呪縛的な象徴を感じます。

しかし神田先生は、この本の中で祈りと共に日本福音化の将来を、希望と幻の中で信仰的視点から日本に必ず大きなリバイバルの可能性を証ししたいと願っているのです。

その理由は、徳川時代三百年に及ぶ、過酷な迫害の中でも七十万人から百万人の忠実なキリシタンたちが同胞の救いの為に祈った事、二、三十万人の殉教者の流した血は日本教会の種となり、根となって必ずキリストの実を結ぶ日が来る事を信じて夢見ているようです。

神田先生に今度の機会を通して心から感謝の一言を申し上げます。

先生は韓國CCC「ニユーライフ・日本」の日韓協力宣教の一環として、一九九一年大阪で始まり、毎年、夏期と冬期に総人数一万二千八百五十人の韓國CCC學生が日本千余数の教会と協力して宣教プログラムを行ってきました。そのプロジェクトの全国実行委員長として、時間と祈りを犠牲にして、指導と協力をしてくださったことを心から感謝します。

(Jyungon Kimの署名)

キムジユンゴン

金俊坤博士

韓国キャンパス・クルセード・フォー・クライスト(CCC)総裁。CCC創設者のビル・ブライト博士と共にCCCを世界最大のキリスト教宣教団体に育て、一九七四年、『エクスプロ’74』を計画し、ソウルのヨイド広場に百万人を集め韓国民族福音化のリーダーとなる。一九八〇年、『世界福音化大聖会』を計画し韓国から世界に十万人の宣教師を送るチャレンジを行い、現在、その働きが実現されつつある。今日、韓国はキリスト教国の様になり、最近の民主化された大統領はすべてクリスチャンである。

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